臓動学説
病気と関連して体のしくみを考えるもう一つの代表的な考え方が、臓象学説とよばれるものです。
人間の機能を五つの要素に分けて、それぞれの体の臓器に割り当てて考える方法です。
これは五行学説と密接に関連していて、相生や相克などの関係も使って、いろいろな機能の相互関係を理解しようとするものです。
臓象学説を病気に応用する場合の主な目的は、びょうきの部位がどの臓器と関係があるかを分析することにあります。
といっても西洋医学でいうような胃が悪い」とか心臓に異常があるといった考え方とは違って、その臓器が担っている役割(機能)全体をさしていますから、胃カメラや心電図で異常が出るというものではありません。
したがって臓象学説では、肝(かん)、心(しん)、脾(ひ)、肺(はい)、腎(じん)という西洋医学と同じ臓器の名前が出てきますが、それらは解剖学的な臓器をさす名前ではなく、体の中の働きを五行学説での五つの属性に分け、それぞれの働きに対して各臓器を代表させて分類したものです。
その働きも、西洋医学と共通する部分もありますが、だいたいはそれよりも広い働きをしめしていて、場合によってはまったく違う働きをさすこともあります。