間接を鳴らすことについて解説

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間接を鳴らすことはとても危ないですよ。

皆さんは、むやみに、関節をポキット鳴らしてはおりませんか?人によっては指ばかりではなく、首、肩、腰、膝と様々な場所で出すことが出来ます。

ポキっという音がなる瞬間、一体何が起きているのか、ご存じでしょうか。
関節内部のX線撮影をある機関で試みました。すると、音が鳴った瞬間、何もなかった関節の内部に黒い影のような塊が現れました。日本医科大学千葉北総病院の南和文整形外科部長によると、これは、関節内部を満たす液が気化した気体だと考えられると言うことです。

関節は伸縮性のあるじん帯に覆われた関節包という袋で包まれ、その中で2つの骨同士が、わずかな隙間を保って接しております。その隙間は関節腔と呼ばれ、滑液という潤滑油の役割を果たす液体で満たされております。そして、南医師によれば関節内部でキャビテーションという現象が起きているために気体が発生することが考えられるということです。

キャビテーションとは、液体にかかる圧力が下がることによって、液体の中から気体が発生する現象のことです。その際、液体中に空洞=キャビティーが出来るように見えることから、この現象をキャビテーションと総称しているそうです。

関節を強い力で曲げると、関節包の片側の容積が急激に広がります。すると、関節包のその部分を満たしている滑液にかかる圧力が瞬間的に下がり、キャビテーションが起きてしまうのです。その結果、滑液の中に溶け込んでいた酸素や水が気化した蒸気などが気泡となって発生します。これが黒い影として見えていたのだそうです。そして急激に下がった圧力を戻そうと反対側から滑液が一気に流れ込んで気泡は消滅、そのとき音が発生いたします。

この時の音のデジタル分析を行ったカイロプラティック施療院の高山青司院長によれば、関節内部でキャビテーションが起きた時のエネルギーが、骨などある程度硬い物を振動させ、更にじん帯、関節包、皮膚を経ることで、ポキッという音になっていると考えられるということです。

吉田勧持医学・物理博士によると、気泡が発生、消滅する際に極めて強力な衝撃波が発生し、この衝撃波が、関節内部の軟骨などにあたることで、その表面を極めて細かく侵食、破壊している可能性があると言うことです。

また、三好弘医師によると、特に首や腰の場合は、手足の時と違って、中に大切な脊髄が入っているため、ポキポキと鳴らし方によっては、手足の麻痺、あるいは命に関わるなどの危険もあると言うことです。

とくに、首の関節を頻繁に激しくポキポキと鳴らすと、 椎骨の先端部分などが傷つけられてしまうことがあります。すると、それを修復しようと、骨が増殖することで神経を圧迫し、様々な症状を起こしてしまう場合があります。その結果、首の骨から肩甲骨に至る肩甲上神経が圧迫される為、30代でも激しい肩こりに陥ったり、頭痛、耳鳴りなどの症状に苦しめられてしまうことがあります。また、腰では、坐骨神経痛や椎間板ヘルニアなどの原因になります。
また、激しく神経が傷つけられて、手足の痺れや脱力を感じることもあり、ひどい場合には、命に関わることすらあります。

そのため、特に首や腰の関節は日常的に激しくポキポキ鳴らすことは避けた方がよろしいです。しかし、様々な影響が考えられるにも関わらず関節をポキッと鳴らすと気持ち良いと感じてしまうのはなぜでしょうか。 それは、長時間関節を動かさないでおりますと、関節が硬くなります。これをストレッチによって伸ばしてあげると、血行もよくなり、蓄積された疲労物質を運び去ってくれる為、快感を覚えます。

しかし、関節内部の軟骨には、その痛みを感じる感覚神経がありません。そのため、激しく関節を動かしてポキッと音をさせた時、関節内部が破壊され、傷つけられたとしても、ストレッチによる快感だけを認知してしまいますので気持ちがよいと感じてしまうのです。

また、指の関節は傷ついた関節内部の修復のために増殖した軟骨によってどんどん太くなってしまいます。指に限らず、首や腰、肩の関節を傷つけずにストレッチ効果を得る為には、出来る限り動かし始めをゆっくりとして、なるべく激しいポキッという音が鳴らないようにすることがとても大切なことです。

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